地域活動コラム
まちの未来をつなぐ人
2026年03月02日 [まちの未来をつなぐ人]
戸塚宿ほのぼの商和会〜地域の笑顔をつなぐ「もちつき大会」〜

コロナ禍を経て2023年にスタートしてから毎年恒例となっているこの行事。単なる季節のイベントという枠を超え、今では地域住民と商店主たちが心を通わせる大切な「交流の場」へと進化を遂げています。
「戸塚宿ほのぼの商和会」とは?
JR戸塚駅の西口エリア、戸塚小学校周辺、そして国道1号線沿いに点在する商店で構成されている商店街の名称を「戸塚宿ほのぼの商和会」と言います。現在、118の会員を擁するこの商店会は、年間を通じて「夏まつり」「はしご酒ライブ」「さくら祭り」など、季節感あふれるイベントを継続的に開催しています。事務局を担当する認定NPO法人こまちぷらすの足立さんは、この活動に込めた想いをこう語ります。
「地域の方々、特に子育て世代の方に商店会のことをもっと知っていただきたいと思っています。普段の暮らしの中でお店をより身近に感じてもらい、『ほのぼの商和会』のファンを増やしていきたいんです。」
その言葉通り、もちつき大会の最大の目的は、会員同士の交流を深めると同時に、地域住民が楽しみながら商店会とつながるきっかけを作ることにあります。
もちをつく、丸める、渡す」役割が育むコミュニティ
今回のもちつき大会は、特定の業種に限らず、商店会の会員が力を合わせて支えました。飲食店や美容室、事務所の方々等も加わり、文字通り「手を取り合って」運営に当たりました。臼を運び、杵を担いでもちをつき、つきあがったおもちを手際よくちぎり、丸め、あんこやきなこをまぶす。それをパックに詰め、輪ゴムで留めて、笑顔で手渡す。
この細かな役割分担こそが、交流の鍵となっています。最近では、近隣住民の方々も運営に混ざって手伝ってくれるようになり、大人も子供も一緒になって一つのイベントを作り上げる光景が見られるようになりました。
「面白そうだから」と集まった人々が、そこで初めて「ほのぼの商和会」の存在を認識し、「あ、あのパックを詰めてくれたのは、あそこのお店の店主さんだったんだ」と気づく。そんな体験を通じて、顔の見える関係が少しずつ、しかし確実に築かれています。
1500名が来場!子供たちの歓声と伝統の獅子舞
当日の盛り上がりは数字にも表れています。来場者数は約1500名にのぼり、用意された800食のおもちは瞬く間になくなりました。特に力を入れたのが、次世代を担う子供たちへのアプローチです。
・地元の小学校(戸塚小、下郷小、南戸塚小)全校へのチラシ配布
・馴染みの飲食店を通じた親御さんへの案内
こうした地道な広報活動が実を結び、当日は小学生以下を対象とした「もちつき体験」には長蛇の列ができました。初めて杵を握る子供たちの真剣な表情と、それを応援する家族の笑顔。さらに、吉田町内会の「吉田獅子連」による獅子舞とお囃子が披露されると、会場のボルテージは最高潮に。伝統文化と地域コミュニティが融合した、賑やかな空気が会場を包み込みました。
「居場所」と「出番」がある街へ
「子供も高齢者も障がいのある方も誇りと居場所と出番を感じられる地域をつくる」ほのぼの商和会が掲げる温かく力強いこのビジョンの実現に向けて、もちつき大会は入りやすい「入り口」の一つになっています。イベントでほっとする時間を過ごし、顔見知りの大人がいることを知る。その安心感が、結果として「今度はあのお店に行ってみよう」という行動につながっていく。
事務局によると、もちつき大会が直接的な来店に結びついたという声はまだ聞かれないものの、LINE公式アカウントの登録者数が増えるなど、着実に「つながりの芽」は育っているそうです。
もちつきがつなぐ、戸塚の未来
もちつき大会への参加から商店のファンになるまでには、一朝一夕にはいかないかもしれません。しかし、杵の音とともに響く笑い声や、つきたてのおもちの温かさは、参加した人々の心に「この街に住んでいてよかった」という確かな実感を残したはずです。地域の方々との交流、そして商店主同士の結束。二つの絆を深めた今回のもちつき大会は、戸塚という街をより豊かに、より「ほのぼの」とした場所にするための、大切な一歩となりました。
団体情報
【団体名】ほのぼの商和会事務局【所在地】横浜市戸塚区戸塚町145-6 奈良ビル2F こまちカフェ内
【アクセス】横浜市営地下鉄ブルーライン&JR「戸塚」駅
【TEL】045-410-9860
【活動時間】平日10:00〜17:00
【オフィシャルサイト】http://honobonototsuka.jp/


